やすだに暮らす/暮らす人々の横顔

南久雄商店/登録有形文化財で暮らす人
南久雄さん

今、フランスのペタンクに夢中。
仲間と一緒に向こうでゲームに参加したいね。

安田町には古民家など9ヵ所の登録有形文化財があります。この町屋の文化財と共に暮らす人たちがいて、懐かしい風景と文化の潤いを与えています。その中の一軒が南久雄商店です。

平成21年2月28日~3月3日まで行われた「土佐の町屋雛祭り」の安田町のメイン会場となり、見事な「釣り雛」を見せてくれました。そのご主人である南久雄さんに話を伺いましたが、アーティストであり、けったいな人でもあり、とにかく不思議な人でした。

「この建物は大正時代に祖父がつくったんじゃないか。僕は昭和24年にここで産まれたよ」といいます。美大を卒業した南さんは、絵画、小説、音楽、ペタンク、自転車競技など幅広い知識と、話が次々に展開していきます。

「自転車とかペタンクで連想するものは、フランスですよ!ペタンク(南フランスのプロバンス地方に生まれたゲームで、フランスの代表的な市民スポーツ)のグループを安田で作っているので、大会に出たいね。今、フランス語の練習もしているし(笑)」。

店内には楽器がいろいろと置かれています。南さんはベースを中心に演奏しますが、ギターやドラムなどやってほしいと頼まれれば、やってしまう性格なのです。

「(楽器)鳴るもんやったら何でも鳴らしたいし、買うことも多い。捨てるのはもったいないしね。今じゃ集まりすぎてノ」といいます。  まだまだ話は尽きないのですが、南さんは不思議な人。こういう人がいることが町のゆとりであり、人生を一から聞きたい魅力ある人でした。